2015年03月17日
高次機能障害
ようこそデイサービスカデナのブログへ
今回は少しお勉強したことを書いてみたいと思います。
今回のテーマは「高次機能障害」
デイサービスの仕事をしていると、この言葉(病名)を耳にすることが多くあります。
ということでちょこっとお勉強したことを
まとめてみたいと思います。
興味のある方はご覧ください。
高次機能障害とは?
1.高次脳機能障害とは
認知(高次脳機能)とは、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程と行為の感情(情動)を含めた精神(心理)機能を総称する。病気(脳血管障害、脳症、脳炎など)や、事故(脳外傷)によって脳が損傷されたために、認知機能に障害が起きた状態を、高次脳機能障害という。
2.障害の臨床像
注意力や集中力の低下、古い記憶は保たれているのに新しいことが覚えられない、感情や行動の抑制が利かなくなる、よく知っている場所や道で迷う、言葉が出ない、ものによくぶつかる等の症状が現れ、周囲の状況に見合った適切な行動がとれなくなり、生活に支障をきたすようになる。
3.高次脳機能障害の種類とその症状
1)注意障害
病巣:右半球、広範囲の脳損傷
生活での観察:ぼんやりしていて自分の周りの人や事象に関心を示さない
気が散りやすい、簡単なミスが多い
二つ以上のことを同時にできない
他のことに関心を転換できない
2)記憶障害
病巣:視床、前脳基底部、側頭葉内側面(海馬)
生活での観察:日時、場所、人の名前がおぼれられない(見当識)
一日のスケジュールがわからない
3)失語症
病巣:左半球、前頭葉下部、側頭葉、角回
生活での観察:会話が困難
4)失認(視覚失認、相貌失認、聴覚失認)
病巣:両側後頭葉
生活での観察:物品、物品の絵、図形を提示されても呼称できない
対象をひとまとまりとして把握できない
対象そのものが何であるかわからない
よく知っている人の顔がわからない
話、環境音が聞き取れない
5)失行
病巣:左半球縁回
生活での観察:簡単な動作が口頭命令、模倣、物品の使用など、
適切な状況下でうまくできない
観念失行
(系列行為の障害・マッチを擦って煙草に火をつける等)
構成失行
(空間的形態を構成できない)
着衣失行
(着衣の障害、左右、前後を間違える、うまく着れない等)
肢筋運動失行
(手、足に触れるものを離そうとしない等)
頬-顔面失行
(舌、唇の運動、嚥下動作、顔の表情を指示通りできない等)
6)地誌的障害
病巣:右(両側)側頭葉から後頭葉
生活での観察:よく知っている道で迷う
家の近くの写真を見せてもわからない
自宅の見取り図、近所の地図を見せてもどこかわからない
7)半側空間無視
病巣:右半球頭頂葉
生活での観察:食事の時、左側にある食事を残す
常に顎が右方向を向いている
歩行時に左側にある物にぶつかる
8)半側身体失認
病巣:右半球
生活での観察:左側の麻痺が存在していても、医師、療法士の質問に麻痺の存在を否定する
歩行できないにもかかわらず、歩けると言う
左側の身体の異物感や他人のものと思うことがある
9)遂行機能障害
病巣:前頭葉
生活での観察:見通しの欠如
アイデアの欠如
計画性、効率性の欠如
10)行動と情緒の障害
病巣:破局反応(左半球)
無関心(右半球)
生活での観察:依存的になる、年齢よりも幼くなる
周囲の状況に無関心になる
感情のコントロールがうまくいかない
欲求が抑えられない
状況に適した行動がとれない
4.高次脳機能障害へのアプローチ
1)注意障害
Attention Process Training、Modified Attention Process Training
2)記憶障害
反復訓練、環境調整、外的代償法(記憶補助手帳使用訓練、電子手帳など)、
内的記憶戦略法、手続き学習、手がかり漸減法、見当識訓練など
3)遂行機能障害
自己教示法、問題解決法、身体運動セット転換法
4)行動と情緒の障害
行動療法(模倣行動の訓練)
5)視覚認知・視空間認知障害
視知覚訓練、視覚探索訓練
6)半側空間無視
病態認識、言語的手がかり、指さし訓練
7)半側身体失認
実際の行為を通して確認させる
8)地誌的障害
視空間認知の訓練、リハーサル
今回は少しお勉強したことを書いてみたいと思います。
今回のテーマは「高次機能障害」
デイサービスの仕事をしていると、この言葉(病名)を耳にすることが多くあります。
ということでちょこっとお勉強したことを
まとめてみたいと思います。
興味のある方はご覧ください。
高次機能障害とは?
1.高次脳機能障害とは
認知(高次脳機能)とは、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程と行為の感情(情動)を含めた精神(心理)機能を総称する。病気(脳血管障害、脳症、脳炎など)や、事故(脳外傷)によって脳が損傷されたために、認知機能に障害が起きた状態を、高次脳機能障害という。
2.障害の臨床像
注意力や集中力の低下、古い記憶は保たれているのに新しいことが覚えられない、感情や行動の抑制が利かなくなる、よく知っている場所や道で迷う、言葉が出ない、ものによくぶつかる等の症状が現れ、周囲の状況に見合った適切な行動がとれなくなり、生活に支障をきたすようになる。
3.高次脳機能障害の種類とその症状
1)注意障害
病巣:右半球、広範囲の脳損傷
生活での観察:ぼんやりしていて自分の周りの人や事象に関心を示さない
気が散りやすい、簡単なミスが多い
二つ以上のことを同時にできない
他のことに関心を転換できない
2)記憶障害
病巣:視床、前脳基底部、側頭葉内側面(海馬)
生活での観察:日時、場所、人の名前がおぼれられない(見当識)
一日のスケジュールがわからない
3)失語症
病巣:左半球、前頭葉下部、側頭葉、角回
生活での観察:会話が困難
4)失認(視覚失認、相貌失認、聴覚失認)
病巣:両側後頭葉
生活での観察:物品、物品の絵、図形を提示されても呼称できない
対象をひとまとまりとして把握できない
対象そのものが何であるかわからない
よく知っている人の顔がわからない
話、環境音が聞き取れない
5)失行
病巣:左半球縁回
生活での観察:簡単な動作が口頭命令、模倣、物品の使用など、
適切な状況下でうまくできない
観念失行
(系列行為の障害・マッチを擦って煙草に火をつける等)
構成失行
(空間的形態を構成できない)
着衣失行
(着衣の障害、左右、前後を間違える、うまく着れない等)
肢筋運動失行
(手、足に触れるものを離そうとしない等)
頬-顔面失行
(舌、唇の運動、嚥下動作、顔の表情を指示通りできない等)
6)地誌的障害
病巣:右(両側)側頭葉から後頭葉
生活での観察:よく知っている道で迷う
家の近くの写真を見せてもわからない
自宅の見取り図、近所の地図を見せてもどこかわからない
7)半側空間無視
病巣:右半球頭頂葉
生活での観察:食事の時、左側にある食事を残す
常に顎が右方向を向いている
歩行時に左側にある物にぶつかる
8)半側身体失認
病巣:右半球
生活での観察:左側の麻痺が存在していても、医師、療法士の質問に麻痺の存在を否定する
歩行できないにもかかわらず、歩けると言う
左側の身体の異物感や他人のものと思うことがある
9)遂行機能障害
病巣:前頭葉
生活での観察:見通しの欠如
アイデアの欠如
計画性、効率性の欠如
10)行動と情緒の障害
病巣:破局反応(左半球)
無関心(右半球)
生活での観察:依存的になる、年齢よりも幼くなる
周囲の状況に無関心になる
感情のコントロールがうまくいかない
欲求が抑えられない
状況に適した行動がとれない
4.高次脳機能障害へのアプローチ
1)注意障害
Attention Process Training、Modified Attention Process Training
2)記憶障害
反復訓練、環境調整、外的代償法(記憶補助手帳使用訓練、電子手帳など)、
内的記憶戦略法、手続き学習、手がかり漸減法、見当識訓練など
3)遂行機能障害
自己教示法、問題解決法、身体運動セット転換法
4)行動と情緒の障害
行動療法(模倣行動の訓練)
5)視覚認知・視空間認知障害
視知覚訓練、視覚探索訓練
6)半側空間無視
病態認識、言語的手がかり、指さし訓練
7)半側身体失認
実際の行為を通して確認させる
8)地誌的障害
視空間認知の訓練、リハーサル