高次機能障害
ようこそデイサービスカデナのブログへ
今回は少しお勉強したことを書いてみたいと思います。
今回のテーマは
「高次機能障害」
デイサービスの仕事をしていると、この言葉(病名)を耳にすることが多くあります。
ということでちょこっとお勉強したことを
まとめてみたいと思います。
興味のある方はご覧ください。
高次機能障害とは?
1.高次脳機能障害とは
認知(高次脳機能)とは、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程と行為の感情(情動)を含めた精神(心理)機能を総称する。病気(脳血管障害、脳症、脳炎など)や、事故(脳外傷)によって脳が損傷されたために、認知機能に障害が起きた状態を、高次脳機能障害という。
2.障害の臨床像
注意力や集中力の低下、古い記憶は保たれているのに新しいことが覚えられない、感情や行動の抑制が利かなくなる、よく知っている場所や道で迷う、言葉が出ない、ものによくぶつかる等の症状が現れ、周囲の状況に見合った適切な行動がとれなくなり、生活に支障をきたすようになる。
3.高次脳機能障害の種類とその症状
1)注意障害
病巣:右半球、広範囲の脳損傷
生活での観察:ぼんやりしていて自分の周りの人や事象に関心を示さない
気が散りやすい、簡単なミスが多い
二つ以上のことを同時にできない
他のことに関心を転換できない
2)記憶障害
病巣:視床、前脳基底部、側頭葉内側面(海馬)
生活での観察:日時、場所、人の名前がおぼれられない(見当識)
一日のスケジュールがわからない
3)失語症
病巣:左半球、前頭葉下部、側頭葉、角回
生活での観察:会話が困難
4)失認(視覚失認、相貌失認、聴覚失認)
病巣:両側後頭葉
生活での観察:物品、物品の絵、図形を提示されても呼称できない
対象をひとまとまりとして把握できない
対象そのものが何であるかわからない
よく知っている人の顔がわからない
話、環境音が聞き取れない
5)失行
病巣:左半球縁回
生活での観察:簡単な動作が口頭命令、模倣、物品の使用など、
適切な状況下でうまくできない
観念失行
(系列行為の障害・マッチを擦って煙草に火をつける等)
構成失行
(空間的形態を構成できない)
着衣失行
(着衣の障害、左右、前後を間違える、うまく着れない等)
肢筋運動失行
(手、足に触れるものを離そうとしない等)
頬-顔面失行
(舌、唇の運動、嚥下動作、顔の表情を指示通りできない等)
6)地誌的障害
病巣:右(両側)側頭葉から後頭葉
生活での観察:よく知っている道で迷う
家の近くの写真を見せてもわからない
自宅の見取り図、近所の地図を見せてもどこかわからない
7)半側空間無視
病巣:右半球頭頂葉
生活での観察:食事の時、左側にある食事を残す
常に顎が右方向を向いている
歩行時に左側にある物にぶつかる
8)半側身体失認
病巣:右半球
生活での観察:左側の麻痺が存在していても、医師、療法士の質問に麻痺の存在を否定する
歩行できないにもかかわらず、歩けると言う
左側の身体の異物感や他人のものと思うことがある
9)遂行機能障害
病巣:前頭葉
生活での観察:見通しの欠如
アイデアの欠如
計画性、効率性の欠如
10)行動と情緒の障害
病巣:破局反応(左半球)
無関心(右半球)
生活での観察:依存的になる、年齢よりも幼くなる
周囲の状況に無関心になる
感情のコントロールがうまくいかない
欲求が抑えられない
状況に適した行動がとれない
4.高次脳機能障害へのアプローチ
1)注意障害
Attention Process Training、Modified Attention Process Training
2)記憶障害
反復訓練、環境調整、外的代償法(記憶補助手帳使用訓練、電子手帳など)、
内的記憶戦略法、手続き学習、手がかり漸減法、見当識訓練など
3)遂行機能障害
自己教示法、問題解決法、身体運動セット転換法
4)行動と情緒の障害
行動療法(模倣行動の訓練)
5)視覚認知・視空間認知障害
視知覚訓練、視覚探索訓練
6)半側空間無視
病態認識、言語的手がかり、指さし訓練
7)半側身体失認
実際の行為を通して確認させる
8)地誌的障害
視空間認知の訓練、リハーサル
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